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全てが調和するようにと思いを込めて
緩やかな曲線、急な曲線。
太い曲線、細い曲線。
空間と軽やかさを意識しながら、それぞれを連続させたり、交差させたりを組み合わせて。
まとう方、デザイン、シルバー...全てが調和し、一つの音楽を奏でるようにと思いを込めて製作しております。
私の作品の多くは蜜蝋を用いた「蜜蝋鋳造技法」を用いて製作しております。蜜蝋鋳造技法の特徴であるひき目模様と様々な曲線を組み合わせることで生まれる造形は、まるで金属に命が吹き込まれたかのようで繊細かつ優しい華やかさを感じさせます。
この繊細で優しい華やかさが、大人の女性の「その人自身が元来持っている素敵な部分」をより強く引き出すと信じています。


《蜜蝋鋳造技法とは》
蜜蝋鋳造技法は明治時代以前から鋳金技法の一種として、佐渡地方を中心に代々受け継がれてきた伝統技法です。
金属製の置物などを作るのに用いられてきましたが、ジュエリーに取り入れられるようになったのは昭和の後期頃から。
佐渡出身の金工家であり、東京芸術大学工芸科の教授でいらっしゃった故・宮田公平さんが中心となって作品を発表されていました。
蜜蝋鋳造技法の特徴であるのひき目模様の出し方、ジュエリーに使えるような軽さとデザインのバランスの取り方が難しいこともあって、この技法を用いてジュエリーを製作する人は今ではごく少数です。
※鋳金(鋳造)とは、砂や石膏で作った型の中に溶かした金属を流し込んで金属を加工する方法の一つです。金属製の調理器具やカトラリー、置物、機械の部品などもこの方法で作られています。
《 蜜蝋鋳造技法の特徴》
貴金属を用いたジュエリーでは、鋳造工程で金属を流し込む型を作る際に、パラフィンワックスで原型を作ることが一般的です。
蜜蝋鋳造技法も原型の作製に蜜蝋を使う点を除けば、方法に大きな違いはありませんが、出来上がるジュエリーで表現できるものに大きな違いが出ます。
パラフィンワックスには彫りなどの加工を施すことができるため、動植物や楽器などをリアルに表現することが可能です。また、デザインによりますが同じものを大量に製造する事が可能です。
これに対し、蜜蝋は彫りなどの加工が適さないためリアルな表現はできないものの、曲げや折りなどの加工には適しているため抽象的な表現を得意とします。
蜜蝋を使用し、様々な曲線を組み合わせて空間を意識したデザインにする事でボリュームを感じさせつつも、身に付けたことを意識させない程の軽さに仕上げる事が可能です。
制作過程のご紹介
作品が出来上がるまでの制作過程をご紹介します。

製作過程1
蜜蝋をひく
蜂の巣から採れる蜜蝋と松の木から採れる松脂。
これらを混ぜて溶かし、人肌にまで冷ますと粘土のように形を作ることができます。
この状態でゆっくり静かにひっぱると、独特のひき目模様が現れます。
これらは一つとして同じ模様となることはなく、たまに息をするのを忘れるほど真剣にひいていきます。
鋳造に耐えられるギリギリを見極めながらできる限り薄く、また、幅や長さの違うものもひいていきます。

製作過程2
形を作る
まとう方、デザイン、シルバー...
全てが調和し、まるで一つの音楽を奏でるように、と緩やかに曲げたものや急に曲げたもの、太いものや細いものを連続させたり、交差させたりして形を作っていきます。
ひき目模様の美しさや形の美しさだけでなく、完成した時の重さにも気を配ります。
また、身につけた時に行動を制限する部分はないか、十分な強度があるか等も考えながらデザインと実用性のバランスを見極めていきます。

製作過程3
蜜蝋からシルバーへ(鋳造)
形を作ったら石膏液の中に沈め、溶かしたシルバーを流し込むための石膏型を作ります。
石膏型は電気炉で半日以上かけて焼き固めます。
沈めた蜜蝋は電気炉の中で燃えてなくなり、蜜蝋で作った形の空洞ができます。
この空洞の中に溶かしたシルバーを流し込むことで、蜜蝋で作った形のシルバーが作られます。
流し込んだシルバーが熱いうちに型ごと水の中に入れて、型を壊して取り出します。(毎回とっても緊張します...)
この工程で得られたものに必要であればパーツや石を取り付け、研磨して作品の完成です。
製作者について
プロフィール

37 JEWELRY
蜜蝋ジュエリーアーティスト 佐橋美名
1983年 愛知県生まれ
日常で目にするあらゆるもの(風景、動植物、造形物、文字などジャンル問わず)から美しい形を見つけ出すこと、また、それらをリソースとして自ら美しい造形を生み出すことがライフワーク。
◆出展履歴
2013年 作家活動をスタート、彫金 三人展(アルティストビラージュ / 岐阜県多治見市)
2014年 個展「軌跡」(風の実 / 愛知県江南市)、個展を機に独立
2015年 個展「present」(スペースU / 東京都目黒区)、二人展(コントレール / 愛知県江南市)2017年 個展「約束」(スペースU / 東京都目黒区)、個展「pieces」(風の実 / 愛知県江南市)、4人展(コントレール / 愛知県江南市)
2018年 個展「宝島」(スペースU / 東京都目黒区、風の実 / 愛知県江南市)
2019年 個展「その傍に」(風の実 / 愛知県江南市)
作品を動画でご紹介しております。
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